協同組合は、その設立の基本的な考え方や組織の運営について、
株式会社とは大きく違っています。
協同組合を組織しているのは、一人ひとりでは経済的に弱い立場にある農業者・漁業者・森林所有者、あるいは勤労者・消費者・小規模の事業者です。 協同組合は、これらの人々が相互扶助の精神のもと、連帯して助けあって自分たちの生産や生活を守り向上させるために協同組合に参加しています。 これに対し、株式会社を構成している株主は、高い株式配当を期待して株主となっています。
協同組合の目的は、組合員の生産や生活を守り向上させることにあり、協同組合自体の利潤の追求を目的とはしていません。一方、株式会社の目的は利潤の追求にあり、できるだけ多くの利潤をあげてこれを株主に配当することにあります。 協同組合の非利潤思想は、協同組合がその誕生以来一貫して持ち続けているものです。
協同組合では、組合を組織するものが事業の利用者であり、同時に組合を運営していく運営者であることが特徴です。つまり、組織者と利用者と運営者が同一人だということです。
一方、株式会社は、組織者である株主は、事業を利用するために株主になるのではなく、配当や株式の値上がりを期待して株主になります。また株式会社の運営は、株主の所有する株数に応じた議決権で決定されます。
協同組合では、協同組合を組織した組合員全員が、組合の運営に参加し、全員で組合の方針を決め、全員でこれを実践して事業を利用していきます。つまり、組合員の、組合員による、組合員のための組織、これが協同組合の基本的性格です。
協同組合 | 株式会社 | |
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目的 | 組合員の生産と生活を守り向上させる (組合員の経済的・社会的地位の向上、組合員および会員のための最大奉仕) <非営利目的> |
利潤の追求 <営利目的> |
組織者 | 農業者、漁業者、森林所有者、勤労者、消費者、 中小規模の事業者など <組合員> |
投資家、法人 <株主> |
事業 利用者 |
事業は根拠法で限定、事業利用を通じた組合員への サービス、利用者は組合員 | 事業は限定されない、利益金の分配を通じた株主へのサービス、利用者は不特定多数の顧客 |
運営者 | 組合員(その代表者) | 株主代理人としての専門経営者 |
運営方法 | 1人1票制 (人間平等主義に基づく民主的運営) | 1株1票制 (株式を多く持つ人が支配) |
2012年は国連が定めた国際協同組合年として、協同組合の価値が再認識された年となりました。各都道府県ではJAや生協などが連携してイベントやシンポジウムを開き、協同組合を広くPRしました。